投稿者: anzen-kaigo 一覧

  • 11/10
    2024
    2024.11.10
    オンラインセミナー「送迎業務安全管理者の事故防止マネジメント」のご案内

    送迎業務の管理は、運転手の採用から安全運転教育まで多岐に亘り、健康起因事故対策など知識も必要です。セミナーでは、送迎業務の安全管理を統括する人材に必要な知識を学びます。≫詳しくはこちらから

  • 11/01
    2024
    2024.11.01
    安全な介護にゅーす「老健でノロ感染拡大、”なぜ終息しないのか”と怒る家族」

    ノロウイルスがなかなか死滅しないことは有名ですが、ハンドソープのボトルに潜んでいたとは。また、みんなハンドソープの殺菌力を過信して、手洗いもいい加減になっています。≫読者登録はこちらから

  • 11/01
    2024
    2024.11.01
    12月無料オンラインセミナー「認知症ケアの力で事故を防ぐ取り組み実践例」

    事故防止対策も大事ですが、認知症ケアの工夫でも事故は防げます。現場の介護職員の知恵と工夫で、認知症利用者の事故を防いだ実践例をご紹介します。≫詳細はこちらから

  • 10/08
    2024
    2024.10.08
    11月安全な介護主催セミナーのご案内

    ■動画配信「介護事故の原因分析と再発防止策検討(11/1)」
    ■オンライン「虐待事故・虐待疑惑発生時の管理者の対応(11/8)」
    ■オンライン「職員研修・身体拘束廃止編(11/21)」
    ■無料オンライン「センサー機器を巡る訴訟・トラブル防止策(11/28)」≫セミナーリストはこちらから

  • 10/03
    2024
    2024.10.03
    10月安全な介護にゅーす発行

    今月の安全な介護にゅーすは、「トイレ内での転倒転落の原因はトイレの設備である」です。みなさんも「介護用(障害者用)トイレの設備ってなぜ標準規格がないのか?」と思ったことありませんか?≫読者登録はこちらから

  • 10/01
    2024
    2024.10.01
    情報室会員向けコンプラ動画無料配信

    10月1日からリスクマネジメント情報室会員向けに、職員向けコンプライアンス動画の無料配信をスタートしました。≫詳しくはこちらから

  • 09/19
    2024
    2024.09.19
    動画「知的障害者施設のリスクマネジメント」のご案内

    動画セミナー「知的障害者施設のリスクマネジメント」をリリースいたしました。知的障害者の事故防止のポイントは、環境リスクの改善と損害軽減策の工夫です。≫YouTube抜粋版はこちら
    ≫パンフレットはこちら

  • 09/13
    2024
    2024.09.13
    無料オンラインセミナーも録画配信付き

    毎月の無料オンラインセミナーも録画配信付きになりました。職員全員でノウハウが共有できます。≫セミナー案内はこちらから

  • 09/11
    2024
    2024.09.11
    年間3件の誤嚥事故「なぜ誤嚥事故が多いのか?」と新任管理者、「加齢で誤嚥リスクは高くなる?」と職員

    【検討事例】M所長は同じ法人の他のデイサービスからさくら苑に1か月前に異動してきましたが、異動直後に誤えん事故が起こりました。えん下機能に障害の無い右半身麻痺の利用者の食事介助中に誤えん事故が発生し、異物除去の対応を施しましたが回復せず救急搬送しました。幸い命に別状は無く1週間ほどの入院となりました。相談員は家族に「えん下機能障害も無く普通食なので、偶発的な誤えんで避けられなかった」と説明し、家族も納得してくれました。
    M所長は主任に指示して事故カンファレンスを行うことにしましたが、過去の事故報告書を調べて驚きました。過去1年間にえん下機能に障害が無い普通食の利用者が、他にも2名誤えん事故を起こしているのです。所長はカンファレンスで「このデイは他の施設に比べて誤えん事故が多い。何か原因があるのではないか。細々したことも大事だからみんなで検証してみよう」と切り出しました。すると、主任と相談員が口を揃えて「年を取れば誤えんのリスクは誰でも高くなります。たまたま偶然事故が重なっただけだと思います」と言います。
    ■誤えんの原因は嚥下障害だけか?
    〇半身麻痺も誤えん事故の原因になる
     主任と相談員は「誤えん事故の原因はえん下機能の障害(低下)である」考えているようですが、誤えん事故の原因はそれだけではありません。一昔前はえん下機能(食べ物を飲み下す機能)の障害が原因で誤えん事故が発生すると考えられていましたが、現在は摂食えん下機能の全てが関わっていると考えられています。
     摂食えん下機能とは食べ物を口に入れて食道に送り込まれるまでの、全ての生理的機能を言います。
    ・咀嚼する(食べ物を細かく噛み砕く)
    ・食塊形成(唾液と混ぜて食べ物を塊にする)
    ・送り込み(食べ物の塊を喉の奥へ送る)
    ・喉頭蓋閉鎖(気管の蓋が閉鎖する)
    ・食べ物が食道に送られる
    ・喉頭蓋開放(気管の蓋が開く)
     障害によってこれらの摂食えん下機能のどれか一つでも働かなくなれば、誤えんの危険が高くなるのです。例えば、半身麻痺の利用者は口の中の機能も麻痺して、食塊形成や送り込みがうまくいかなくなることがあり誤えんの原因となります。食塊形成や送り込みの機能には、舌・頬・唇など口の中の筋肉全てが滑らかに動かなければならないからです。半身麻痺の利用者は口の中の筋肉も麻痺側がうまく働かなくなることがあり、誤えんのリスクが高くなるのです。
     また、摂食えん下機能が円滑に働くためには、次のような条件が必要です。
    ・覚醒していること
    ・口の中が潤っていること
    ・顎を引いていること
    ・前かがみの姿勢を取っていること
    ・鼻で呼吸ができること
     十分に目が覚めていなければ摂食えん下機能が働きませんし、口が乾いていれば食べ物を飲み込みにくくなります。また、顔が上を向いて顎が挙がっていたり、上半身が後ろに反り返ることで食べ物が飲み込みにくくなります。
    これらの安全な食事の条件が整っていなければ、誤えん事故の発生リスクは高くなるのです。このように考えると、誤えん事故は裁判で過失とされるような顕著な事故原因の他にも、たくさんの要因が重なって起きることが分かります。
    ■誤えん事故の防止対策は多岐にわたる
     誤えん事故の原因はたくさんあって、全ての安全対策を講じることは難しいのですが、「食事の環境や条件」と「食事介助の方法」は重要ですので、注意点を確認しておきましょう。
    〇食事の環境や条件
    ・前かがみの姿勢
     車椅子上で食事をすると背もたれの傾斜によって、上半身が後ろに反りかえります。お尻が前にズレてズッコケ座りになれば尚更です。食事の前には前かがみ姿勢が取りやすいように、座り直しの介助を行って下さい。また、背もたれと背中の間に少し硬いクッションを入れると、安定した前かがみ姿勢が取りやすくなります。
    ・身体に合わない椅子とテーブル
     著しく小柄な女性利用者が普通の椅子とテーブルで食事をすると、テーブルが高すぎて顔が上向きになり食べ物が飲み込みにくくなります。小柄な利用者には低い椅子と低いテーブルを用意してあげてください。
    (テーブルは通常高さ70cmを64cmに、椅子は通常高さ40cmを36cmにすると良いです)
    ・口腔内の状態
     脱水状態になれば口の中が乾いてしまいますから、マメな水分摂取を促してください。また、向精神薬や利尿剤などの服薬の影響で口腔内が乾燥するケースもありますから、これらの利用者へは水分補給が大切です。冬季には加湿対策も効果があります。
    〇食事介助の方法
    ・覚醒の確認
     時々車椅子上でうたた寝をしている利用者を見かけます。このまま食事介助をしたら摂食えん下機能がうまく働かず、誤えん事故の原因になりますから、覚醒を促し十分時間を開けてから食事を始めてください。
    ・口腔内を潤す
     食事の前には必ず白湯またはお湯を口に含んでいただき、口腔内が潤った状態で食べ物を口に運んでください。比較的パサパサした食べ物であれば、途中でもちょっとお茶を飲んでいただくと良いと思います。
    ・低い位置で食事介助をする
     背の高い介護職員が高い椅子に座って食事介助をすると、口に運ぶスプーンが上からやってきます。顎が挙がり誤えんの危険が高くなりますから、低い椅子に座って低い位置からスプーンを運んでください。
    ・急がせない
     食事をなかなか飲み込めずに介助に時間がかかる利用者がいます。急がせるような素振りを見せると「早く食べないと迷惑をかける」と思い無理に飲み込もうとして誤えん事故につながります。「ゆっくり食べてください」とマメに声を掛けて、飲み込んだことを確認してから次のスプーンを出しましょう。
     以上主だった誤えん防止の“細々した対策”をご紹介しましたが、利用者本位の介護を徹底している施設に比べるとまだ半分くらいのようです。全てを完璧にこなすのは難しいとは思いますが、個別の利用者を良く見てリスクに合わせた方法に取り組んでください。
    《セミナーインフォメーション》
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  • 09/11
    2024
    2024.09.11
    グループホーム外出行事中の行方不明事故で捜索の遅れに激怒する家族、原因は職員配置?

    【検討事例】
     グループホームの外出行事で、有名な神社に花見に行きました。出発した時は曇りでしたが、到着すると小雨が降って来て、傘をさして参拝することになりました。職員3名と利用者5名(うち1名は車椅子)で参拝し、送迎車に戻ろうとすると、Mさんが見当たりません。まだ、午後2時だったので、神社を職員でくまなく探しましたが、5時になっても見つからず家族連絡の上警察に捜索願を出しました。デイの職員総出で探しましたが、その日は発見に至らず、3日後になって隣の市で警察に保護され、家族と大きなトラブルになりました。
    ■職員配置は事故原因ではない
    この事故で、家族と大きなトラブルになったグループホームでは、重大な問題と受け止め原因と対策を話し合いました。すると、「職員配置に問題があった」という意見が大半を締めました。つまり、5名の利用者(1名は車椅子)に対して職員3名では少ないので、人数を増やすべきだったというのです。本当にそうでしょうか?では職員を何名に増やしたら事故は防げたのでしょうか?
    介護職員は自分たちの見守りによって、全ての事故を防ごうとするので、事故が起きると職員数が足りなかったなどと、的外れな指摘をしてしまいます。この事故では、職員配置の問題より「なぜ小雨の中人が混んでいる神社に行かなければならなかった」という方が問題なのです。外出行事は施設内とは環境が異なり、天候などの外的な条件に著しく左右されますから、本事例の事故原因の第一は、「わざわざ小雨の中人混みに出かけたこと」だったのです。
    職員は外出行事先の選定の問題になると、「この地域だったら○○神社が有名だから」と、名所のような場所を選びますが、利用者はそんなことにこだわるでしょうか?何十年も地域で暮らしていれば、名所など何度も訪れていて今更行こうと思わないでしょう。外出行事はみんなででかける非日常が楽しみなのですから、場所はどこでも良いのです。
    ■なぜ職員だけで捜索するのか?
    次の原因は、職員だけで3時間も探していたことです。人出の多い混雑した神社で、職員2名(1名は他の利用者の対応)で認知症の利用者を探し出せる訳がありません。たとえ、天候などの外的な条件が悪くなくても、職員が利用者を見失うというミスは起こり得るのですから、もっと有効な対応方法を決めておかなければなりません。具体的には、神社の管理事務所などの係員に応援を求めたり、放送を使って呼び出しをすると決めておけば良いのです。結果的に、すぐに発見できなかったことで、神社の外へ出て隣の市まで歩いて行ってしまい、翌日夜まで発見できず大きな騒ぎになってしまったのです。行方不明の対策は見失わないことも大切ですが、見失った時どのように効果的な捜索ができるかにかかっていると言っても過言ではありません。
    また、見失ってすぐに家族連絡を入れなかったことで、家族トラブルが大きくなりました。こんな時家族は「すぐに発見できたら行方不明は起きなかったことにするつもりだったのだろう」と隠ぺいの意図を疑い、著しく信頼感を損ないます。
    ■あらかじめ予想されるトラブルへの対処方法を決めておく
    グループホーム内だけでは、単調な生活になってしまいますから、散歩に行ったり外出行事を行いのはとても良い事ですが、施設内と違い屋外は天候などの外的条件に左右されますから、場所とタイミングを選ばなければなりません。まず、大雨など極端な悪天候であれば行事を中止にできますが、今回のように微妙なケースは判断に困ります。このようなケースに対応するには、あらかじめ屋内の外出先を決めておき、前日に変更することで対応できます。利用者はみんな楽しみにしていますから、「目的地に着いてみたら小雨が降って来た」というケースでは、ほとんど中止できず決行してしまうからです。
    さて次の問題は、外的条件が悪くなくても利用者を見失うというミスは起こり得るのですから、見失った時の対応方法をあらかじめ決めておかなければなりませんでした。この事例の最も大きな失敗は、午後2時に利用者を見失った後、職員だけで3時間も探してしまったことです。大きな施設であれば、必ず管理事務所がありますから、捜索の協力をしてもらったり、施設の放送設備で呼び出してもらって来場者に協力を求めることができます。3時間も経ってからではもう施設内を出てしまっていたでしょうから、捜索協力を求めても無意味です。見失った直後に職員の一人が管理事務所に応援を求めに行けば、施設内で発見することができたかもしれません。
    このように、利用者を見失うというミスを想定して、「管理事務所に職員が応援を求めに行く」というルールにしていなければならないのです。当然、管理事務所があって迷子(※)の呼び出しができるような施設をあらかじめ選んでおかなくてはなりません。
    ■外出行事中だけ利用者に目印を付けてはいけないか?
     私たちは、幼児を連れて遊園地に行って子供を見失ってしまったら、管理事務所に行って迷子の呼び出しをしてもらいます。この時、子供が誰から見ても判別できる特徴がある服を着ていると、発見が早くなります。逆に言えば、幼児を連れて人混みに出かけるのであれば、「特徴がある服を着ているといざと言う時見つかりやすい」ということになります。かつて私の家でも子供とディズニーランドに行く時は、特徴のある服をわざわざ着せていましたから、「スターウォーズと書いた赤のTシャツを着た男の子が…」と呼び出してもらうとすぐに見つかったことがあります。
    同様にグループホームの外出行事でも、利用者に特徴のある服を着てもらえば、施設内放送で呼び出しを行った時に見つかりやすくなります。高齢者のパッケージツァーなどでは、コンダクターが旗を振って旅行者がみな同じワッペンを胸に付けています。ツァーの参加者ははぐれたら困りますから、少し恥ずかしくても素直に目印を胸に付けているのです。
    グループホームの外出行事の時に、まさか「○○グループホーム」というワッペンを胸に付ける訳には行きませんから、本人が抵抗なく付けられ、また尊厳を損なわないような工夫をしてあげれば良いと思います。あるグループホームで行事参加者に、「式典の来賓の胸に付ける胸章リボン」を付けたところ、「何の行事ですか」と周囲から尋ねられたという話がありますが、人を探すとき目印になるものであれば何でも良いのです。
    施設の職員は行事先の下見などをして、不都合が起こらないかどうか下調べを熱心に行いますが、不都合が起きた時の対応も想定してルール化して欲しいのです。
    ※大人の場合、正式には「迷子」ではなく「迷い人」と呼びます。

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