投稿者: anzen-kaigo 一覧

  • 02/10
    2025
    2025.02.10
    会員制情報サイト「介護リスクマネジメント情報室」4月会員募集のご案内

    「介護リスクマネジメント情報室」は、動画やニュース配信、マニュアルダウンロードなどのサービスが受けられる通常会員と、160本の動画セミナーがワンクリックで常時視聴できるプレミアム会員があります。ご加入をご検討ください。≫ご案内はこちらから

  • 02/04
    2025
    2025.02.04
    法定職員研修年間プラン(10回)のご案内

    今年度に引き続き、2025年度の川村講師による法定職員研修(オンライン)の年間プランを募集します。セミナー録画配信に続き、今年度をは現場職員用ショート動画をその都度配信します。忙しい現場で短時間の研修も可能ですのでご検討ください。≫ご案内はこちらから

  • 02/02
    2025
    2025.02.02
    2月安全な介護にゅーす:「転倒事故が前年比30%増加」はなぜ問題なのか?

    毎年5月頃になると法人本部が前年度の事故件数を集計して、「今年の事故防止目標は・・・」と言ってきます。なぜ事故が増えると問題なのでしょうか?意味のない分析止めましょう。≫読者登録はこちらから

  • 01/04
    2025
    2025.01.04
    リスクマネジメント情報室ライブラリーに「事故&トラブル対策事例集」追加

    リスクマネジメント情報室(弊社会員制情報サイト)のライブラリーに「事故&トラブル対策事例集」が追加になりました。11テーマ193事故トラブル事例を徹底解説!会議や勉強会などでご活用ください。
    ≫事例集見本   ≫リスクマネジメント情報室案内

  • 01/03
    2025
    2025.01.03
    1月安全な介護にゅーす:送り忘れて送迎車に一晩放置、「真冬だったら凍死していたぞ!」

    送迎車の降ろし忘れ事故はお迎えだけではありません。自宅に送り届けたと思い施設に連れ帰り、駐車場に一晩放置した事故も起きています。お送りの送迎も降ろし忘れ防止点検を!≫読者登録はこちらから

  • 12/30
    2024
    2024.12.30
    介助中の職員に「介助がヘタだ」と文句を言い続ける息子、職員は適応障害に

    《検討事例》                   ≫[関連資料・動画はこちらから] 
    Hさん(女性・83歳)は認知症がある左半身麻痺の利用者で、特養に入所してきました。キーパーソンの一人息子は介護に熱心で、自ら初任者研修の資格を取得しており、ショートステイ利用中も何かと職員に注文を付けていました。
    Hさんが入所すると息子は2日に一度来所し、居室担当の女性職員の介助方法に文句を言うようになりました。当初は「ホントにおまえは介助がヘタだな」と文句を言うだけでしたが、職員が従わないと「このど素人が何やってんだよ、お前資格持ってんのか?」などと、介助している間職員を罵倒し続けます。
    見かねた介護主任が「お母様の介助方法については任せていただきたい」と言うと、介護実技のテキストを持ってきて「施設のほうが間違っている」とを1時間も主張しました。施設長に相談しても、「介護熱心な家族で間違ったことを言っている訳ではないから」と対応してくれません。
    ある時、居室担当の女性職員が息子の介助方法に反論すると激高して、「母に事故でもあったらお前殺すぞ!」と言って、近くの椅子を職員の方に蹴飛ばしました。その後職員は出勤する時に激しい動悸に襲われ、心療内科を受診し適応障害と診断されました。
    報告を受けた主任が息子に対して、「横暴な態度を改めないと利用を断ることもあり得る」と強く抗議すると、「自分たちの介護のやり方が間違っているのに、退所をちらつかせて家族を脅した」と市に苦情申し立てをしました。市から対応を求められた施設長は、主任に「息子さんの態度が少し悪くても利用拒否はできないから」と注意しました。主任は翌月退職し市内の他の施設に移って行きました。

    《事例検討解説》
    ■暴力的行為でなくても大きな精神被害
     この介護熱心な一人息子の要求や言動は、施設長が言うように“介護熱心な家族で間違ったことを言っている訳ではない”のでしょうか?執拗に自分の介助方法を職員に要求し、従わない職員を介助中ずっと罵倒する行為は許されるのでしょうか?この息子の行為は明らかなカスタマーハラスメントであり、施設もしくは法人が組織的に対抗しなければなりません。このように、違法性や不法性が不明確なハラスメントは大変多く、施設では「困った家族の振舞い」程度の認識しかないので、悪質クレーマーからの職員の被害が増えているのです。
    一般的にカスタマーハラスメントは、「従業員に対する嫌がらせや暴力的・威圧的な要求や言動」とされていますが、この息子の要求や言動を一つ一つ検証すれば明らかなハラスメントであることが分かります。
     介護職員が利用者を介助している間ずっと文句を言って罵倒し続ける行為は、間違いなくハラスメントです。介護職員は介助行為を行っている間、執拗に介助方法を否定され罵倒され続けられたら、強烈な精神的な苦痛を受けます。たとえ、暴力的・威圧的行為でなくても「執拗な精神的攻撃による嫌がらせ」はハラスメントなのです。ひどい精神的苦痛を継続的に受けると、強度のストレスによってストレス障害、うつ病、パニック障害など精神面身体面での症状が出ます。「母に事故でもあったらお前殺すぞ!」という言葉と、「椅子を職員の方に蹴飛ばしました」と言う暴力的な行為によって、恐怖心も加わり激しい動悸と言う適応障害の症状につながったのでしょう。
     それでは、主任の抗議は正しかったのでしょうか?息子の職員へのハラスメントが、たとえ違法行為や不法行為であっても、いきなり「利用拒否もあり得る」という告知は妥当とは言えません。特養の入居者に対して利用拒否とは退所を意味しますから、その主張を行うにはきちんと根拠を示して警告や予告などの手続きを踏まなくてはなりません。
    では、この息子に対してはどのような根拠を示して、どのような手続きを踏んで対抗すれば良かったのでしょうか?
      
    ■ハラスメント行為の検証を行う
     カスタマーハラスメントに対抗するには、まず相手の言動を検証して執り得る対抗手段を明確にしなければなりません。その上で、相手の違法行為や不法行為などを主張し法的な対抗手段を示さなければなりません。まず、この息子の行為を分析・評価してみましょう。
     前述のように、たとえ介助方法が家族の要望にそぐわなくても、介助中に後ろから罵倒し続ける行為は、職員の被る精神的苦痛を考えれば、不当な嫌がらせ行為と言えます。家族であっても、職員の介助行為の妥当性について説明を聞き、施設側と話し合わなければなりません。不当な嫌がらせ行為による精神的苦痛によって職員の適応障害が引き起こされたのであれば、不法行為による損害賠償請求が可能かもしれません。
     次に、自分の介助行為に反論されたことに腹を立てて、職員に「母に事故でもあったらお前を殺すぞ!」と言って椅子を職員の方に蹴飛ばしましたという行為を分析してみましょう。「お前を殺す」という言葉はただの暴言ではなく、刑法の脅迫罪に該当する犯罪行為になるかもしれません。職員に向かって椅子を蹴飛ばすという行為は、職員に椅子が当たらなくても暴行罪になります。

    ■法的対抗手段を明示して通告する
     家族が施設職員に対して、刑法に抵触する犯罪行為を行えば刑事告訴も可能ですし、契約解除つまり利用拒否の正当な理由にもなります。また、家族の不法行為によって職員がメンタルに不調をきたして受診したのですから、不法行為責任を理由に損害賠償請求を行うこともできますし、債務不履行責任による解約解除も可能になります。
     このように、クレーマーの不当な行為に対して刑事告訴や不法行為責任による賠償請求などの法的対抗手段を明示した上で、「ハラスメントを止めなければ契約解除も辞さない」と警告する必要があります。当然、口頭ではなく文書で通知することも必要ですし、施設長や相談員ではなく法人本部の担当者から通知する方が効果的です。このようなケースを解決するために、私たちは法人本部の「顧客相談室長」の名前で通告書を作成して、内容証明郵便で郵送することがあるのです。
     カスタマーハラスメントを行う悪質クレーマーの多くは、自分の行為が犯罪行為であるという認識もありませんし、精神的苦痛を理由に賠償請求され得ることも念頭にありません。厳しい対抗手段を警告し自分の悪質な行為を認識させて止めさせなくてはならないのです。管理者は「根気よく説得する」という言葉を使いますが、職員に被害を与える悪質クレーマーに対して気長に説得する余地などありません。ハラスメント行為の重大さを認識させ、愚かな行為によって自分が被る不利益を理解してもらわなくてはならないのです。
    最後に、みなさんは労働契約法の事業者の義務として、「職場環境配慮義務」があることをご存知でしょうか?労働契約法第5条によれば、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と明記されているのです。
    つまり、使用者はパワハラ・セクハラ・カスハラなどのハラスメントによって、職場の環境が損なわれないようにする労働契約上の義務「職場環境整備義務」があるのですから、もっと積極的にクレーマーにハラスメントの中止を求めなければならないのです。

  • 12/30
    2024
    2024.12.30
    インフルエンザ感染で肺炎を起こして利用者が死亡、感染症対策の強化を迫る本部

    《検討事例》                   ≫[関連資料・動画はこちらから] 
    特別養護老人ホームS苑では、例年のように10月の幹部会議で、冬季の感染症対策が議題となりました。昨年S苑では、ノロの感染者22名とインフルエンザの感染者8名を出し、他の施設に比べて対策の不備が露呈しました。その上、インフルエンザの感染者が入院し、持病の悪化で亡くなるという事態となり、家族と大きなトラブルに発展していましたため、本部からも対策の再徹底を求められています。会議では昨年の感染症対策を振り返り、検証することにしました。
    さて、S苑では昨年の感染症対策として「11月から3月まで感染症対策期間として施設外部からの感染症の侵入防止を徹底する」ことを方針として、次のような具体的な対策を実施していました。
    ①家庭用加湿器による居室の加湿を徹底して行う
    ②家族の面会は極力控えてもらい、面会場所は居室とする。
    ③提供する食事はサラダを除き加熱調理された料理とする。
    ④面会者や職員は薬用ハンドソープによる手洗いと手指消毒剤による殺菌を徹底する。

    《事例検討解説》
    ■感染症対策は“感染症の侵入防止”だけではダメ
    S苑が昨年の感染症対策で失敗した原因は、感染症の施設への侵入防止のみにシフトし過ぎて、他の重要な対策を怠ったことにあります。感染症リスクへの対策は、感染することのみを防止しようとしても失敗します。人は生活している限り他者との接触をゼロにすることは不可能ですし、過度の感染防止対策は生活行動の制限につながります。感染症対策は、「感染」「発症」「重症化」という3つのリスクに分けて、効率的効果的な対策を講じなければ成果は期待できません。
    ①感染リスク対策
     体内へのウイルスの侵入(感染)を防ぐ対策で、ウイルスとの接触を防ぐ感染機会対策と、体内へのウイルスの侵入を防ぐための衛生行動対策に分かれます。具体的には、発症者との接触を避ける、媒介者に衛生行動を促す、本人の衛生行動による体内侵入防止が有効です。また、施設内に発症者が出た時の、施設内感染対策は非常に重要です。
    ②発症リスク対策
     体内にウイルスが侵入した時に、発症を抑制する対策です。具体的には、ワクチンの接種や免疫力維持のための低栄養防止対策などです。
    ③重症化リスク対策
    高齢者施設には、インフルエンザやノロを発症した時、生命の危険に直結する利用者がいます。このような利用者が発症した時重症化を防ぐ対策です。具体的には、肺炎の併発を防ぐ肺炎球菌ワクチンの接種や、持病悪化への配慮です。
     S苑が「感染症防止対策の徹底」と打ち出した方針は、感染リスク対策の接触機会を減らす対策だけだったのです。

    ■感染・発症・重症化の3つのリスクに分けて対策を講じる
    S苑の対策は、「施設にウイルスを入れない」という漠然とした対策で、ウイルスの特性に基づいた科学的根拠のある対策になっていません。面会の家族は感染症を発症していない限り、面会時に感染する可能性は極めて低く、面会時の手指消毒さえ徹底すれば面会を制限する必要はありません。また、家庭用加湿器を居室に配置しても、インフルエンザウイルスの不活性化に必要な40%以上の湿度は得られませんから、加湿した居室で面会しても感染防止の効果はありません。
     ここで、インフルエンザを例にとってウイルスの特性に基づいた対策のポイントを、「感染リスク」「発症リスク」「重症化リスク」の3つに分けて考えてみましょう。
    インフルエンザ感染防止対策のポイント

    ■感染リスク対策とは?
    a感染機会対策
    インフルエンザウィルスの感染の特徴はそのほとんどが飛沫感染(飛沫核感染)と、飛沫の付着した手指による接触感染です。感染機会を減らすには、「発症者との接触を避ける」「発症者と接触した人の手指消毒」などの対策を徹底することです。
    〇施設外での発症者との接触
    人混みに行く機会のない施設入所者にとって、発症者との感染リスクの高い場所は病院の待合室です。狭い待合室の密閉空間では、飛沫核感染の危険も高くなります。受診の際は待合室での長時間滞在を避け、送迎車内で待機するようにします。
    〇面会者による感染
     発症している者との面会は禁止し、未発症の保菌者からの感染を避けるためマスクの着用と手指消毒を徹底します。また、発症者と接触した媒介者からの感染を避けるため手指消毒と面会前の上着の〇〇をお願いします。
    〇職員からの感染
     発症している職員もしくは自覚症状がある職員は出勤停止とします。休みは有給休暇とせず「感染症防止対策休暇」を設けます。職員は出勤時にユニフォームに着替えた後に手指消毒を行います。
    b体内侵入防止対策
     ウイルスに接触した時、体内に侵入させない対策です。インフルエンザウイルスは上気道(鼻腔から喉頭まで)から体内に侵入する特性があり、特に粘膜が乾燥すると感染しやすくなります。「上気道への侵入対策」と「上気道の防衛機能対策」が有効です。
    〇本人の手指消毒
     衣服や手に付着したウイルスを上気道に侵入させないために、利用者自身の手指消毒とうがいを徹底します。顔の鼻と口の付近をウエットティッシュで拭くことも効果があります。
    〇上気道の粘膜防衛機能強化
     上気道の粘膜が乾燥しないように、居室を加湿する、マメにお茶の飲む、脱水を避ける、うがいをするなどの対策を心掛けます。特に口腔内を乾燥させる薬(利尿剤、三環系抗うつ剤、交感神経遮断剤、抗ヒスタミン剤など)を服用している人は要注意です。緑茶でうがいをすると、過失と除菌の効果があるので一石二鳥のようです。
    c感染者発生時の施設内感染防止対策
     施設内に発症者が現れた時、他の利用者への感染を防止する対策です。感染者の居室の衛生レベルを上げて厳重に管理します。一方で、他の利用者への感染防止対策の強化を図ります。施設は最初の発症者の感染に対する責任は問われないと考えられますが、施設内の感染対策の不備で他の利用者に感染し被害が出れば、確実に責任を問われると考えて下さい。
    〇発症者の居室
     発症者の居室が多床室であれば発症者は個室に移しますが、アルコール製剤で居室の拭き掃除を徹底し、同室の利用者は2日程度しっかりバイタルチェックをします。発症者が移った個室は認知症の利用者などが出入りしないように注意します。また、発症者の居室付近に重度者の居室がある場合には、衛生管理の徹底を図ります。
    〇低免疫力者に対する配慮
     胃ろうなど重度で寝たきりに近い利用者が、昼間から総入れ歯を外して仰向けで口を開けている光景を目にします。口が閉まらず口腔内がカラカラになれば、上気道も乾燥して感染リスクが高くなってしまいます。総入れ歯は外すと口腔内で舌が喉に落ちて(舌根沈下)口が閉まらなくなりますから、胃ろうでも総入れ歯を外してはいけません。

    ■発症リスク対策とは?
    体内にインフルエンザウイルスが侵入しても、誰もが発症する訳ではありません。免疫力が高ければ発症するリスクは低く免疫力が低ければ発症しやすくなります。高齢者の中でも、糖尿病などの持病により免疫力が低下していたり、低栄養や寝たきりなどでも免疫力が低下しているので注意が必要です。逆に、ワクチン接種によって免疫力を高めて、発症を抑制できる場合があります。
    ・インフルエンザ予防ワクチンの接種
    インフルエンザワクチンを接種しても、完全に発症を防げる訳ではありませんが、重症化を防ぐ効果もあるとされ、自治体などで補助を行っていますから接種すると良いでしょう。
    ・通常の生活習慣を維持
    免疫力を維持するには「平素と変わらない規則正しい生活」と言われています。「大勢集まって食事をすると危険だ」などと言って、居室配膳などに切り替えるとかえって部屋から出なくなり、活動性が低下し免疫力が低下します。
    ・低栄養の防止
    感染症流行の期間は、好きな食べ物を積極的に提供して食欲を増進したり、カロリーを高めにするなど、低栄養防止への配慮をして感染に備えている施設もあります。高齢者が体調を崩す原因の最も大きいものが、食欲の低下による低栄養と水分接種不足です。
    ・ヨウ素系うがい薬は免疫力を下げる?
     最近では「ヨウ素系うがい薬の使い過ぎは、口腔内の常在菌も殺菌してしまうので免疫力が低下し逆効果」という意見も出てきています。その真偽はともかく、京都大学医学部の調査によれば、1日3回以上うがいをすることでインフルエンザの発症率は40%低下しましたが、ヨウ素系うがい薬でも同じだったそうです。水でうがいするだけで十分効果はあるようです。

    ■重症化リスク対策とは?
    低栄養などで免疫力・体力が低下している利用者は、インフルエンザを発症した時、重症化して命にかかわることがあります。ですから、このような重症化リスクの高い利用者に対しては、他の利用者と区別して重症化を防ぐ対策が必要になります。高齢者施設で最も注意すべき重症化リスクは「肺炎の併発」と「持病の悪化」です。
    ・肺炎球菌ワクチンの接種
    インフルエンザに感染して亡くなる高齢者でも、肺炎の併発で亡くなっている人が多く、その80%は肺炎球菌の感染が原因です。ですから、肺炎球菌ワクチンを接種することで、インフルエンザに感染しても肺炎を防げるケースが多いのです。
    ・他の利用者より高い衛生水準
    もし、胃ろうで寝たきりの要介護度5の利用者と、認知症で徘徊する利用者が同室だったら家族はどのように感じるでしょう。やはり、寝たきりの利用者は別の居室の方が良いと考えるでしょう。病院でも、感染症への免疫力の低い患者とそうでない患者は、居室などを分けています。最近の施設では、医療処置が必要な利用者が増えているのですから、特別な衛生管理水準の必要な利用者はやはり環境を分けることが必要になるでしょう。
    ・発症の兆候が出にくい低免疫力者
    胃ろうや寝たきりのような低免疫力者は、インフルエンザに感染しても特徴的な症状が出にくいために、発症に気付くのが遅れて重症化する例もあります。ですから、低免疫力者に対しては頻回にバイタルチェックを行い、発症の兆候を迅速に発見し受診につなげている施設もあります。

    ★薬用ハンドソープの殺菌効果は疑問?
     最後に、注意点すべきポイントを一つ追加します。「消毒・殺菌」と表示している薬用ハンドソープの殺菌効果に疑問が持たれています。厚生労働省は昨年9月に薬用石けんの殺菌成分であるトリクロサンを1年以内に他の成分に替えるよう業界団体に通知しました。これは昨年9月にアメリカのFDAがトリクロサンに対して、「殺菌効果が通常の石けんと比べて優れた殺菌効果があるとはいえず、かえって免疫系に悪影響を及ぼすおそれがある」として販売停止を命じたことに対応したものです。厚労省の通知を受けて日本の石けんメーカーは、トリクロサンを他の殺菌成分に変更したということです。
     一部の病院では以前から「薬用ハンドソープの殺菌力を過信して、ていねいな手洗いを怠っている」として問題視していますので、高齢者施設でも石けんと同じていねいな手洗いが必要であることを再認識して下さい。

  • 12/30
    2024
    2024.12.30
    謝罪の場面での介護主任の接遇態度に激怒した家族、接遇ゼロ職員は経営リスク!

    《検討事例》                   ≫[関連資料・動画はこちらから] 
    ある特別養護老人ホームで職員の初歩的な介助ミスによって、利用者を転倒させてしまいました。幸い骨折はなく打撲で済みましたが、家族に謝罪することになりました。主任が相談員同席で息子さんに謝罪と事故の再発防止策を説明することとなり、施設に来てもらうことになりました。約束の3時前には相談員が相談室で準備をして、家族をお待ちしていました。10分前に家族(息子さん58歳)がお見えになり相談室お通ししましたが、肝心の主任が3時になっても現れません。相談員は「申し訳ありません、急なことが起こったのかもしれません」と言って待っていました。10分後に主任が相談室に現れましたが、短パンにTシャツ姿で頭にタオルを巻いたままで「すみません、入浴介助に入っていたもので」と言いました。
     息子さんは主任に向かって「失礼じゃないか!謝罪すると人を呼びつけておいて遅れて来た上に、なんだその恰好は!人をバカにするのもいい加減にしろ!」と激怒して帰ってしまいました。息子さんは翌日施設長だけでなく、理事長にも電話を入れて「あんな礼儀知らずを主任にした経営者の責任だ」と、理事長の責任にまで話が及びました。理事長は施設長に改善するように求めましたが、「現場の職員は接遇が苦手ですから」と消極的です。理事長は各施設でコンサルタント会社による研修を一斉に開催し、役職者を受講させましたが、その後も同様のトラブルが再発しました。

    《事例検討解説》
    ■役職者の非礼は組織の信用を失墜させる
    息子さんが激怒したのは、謝罪という最も接遇が重んじられる場面で、時間の厳守と身だしなみという社会人として最低限の接遇マナーが全くできていなかったからです。そして理事長にまでクレームを申し立てた理由は、接遇能力がゼロの職員が新入職員ではなく介護主任であったことです。
    そして、本事例のトラブルの対策として、理事長は役職者に対する外部のコンサルタント会社による、接遇研修の徹底を図りましたが効果はありませんでした。理事長は接遇研修を受ければ接遇スキルが向上すると考えたようですが、そもそもこの考え方が間違っています。
    サービス業において接遇は、サービスの質を向上させるためのスキルであると理解され、営業数字のプラスを目的とした経営戦略の一つに位置付けられます。もちろん、接遇スキルを徹底すれば、他社を差別化する経営戦略にもなりますが、もう一つ「接遇のリスク」という考え方も知っておかなければなりません。
    本事例のように社会人としての最低限の接遇もできない役職者が居れば、組織のマネジメント能力が疑われ、職員教育・規律・介護の能力全てが疑いの目で見られるのです。外食チェーンでは、アルバイトまで接遇マニュアルによる徹底した訓練が行われ、どの店員も全てが同じ品質を保ちます。これは「品質均一化のアピール戦略」と言われ、お客様から見えない衛生管理という大切な品質も守られていると安心感を与える目的があるのです。
    介護や医療ではサービス品質の考え方が、技術的面に偏りがちで接遇をないがしろにする傾向があります。しかし、企業を選ぶ消費者の目はその経営姿勢にも及びますから、接遇の徹底はマネジメント品質をお客様に伝える窓になっているのです。

    ■最低限の接遇ができない職員は経営リスクである
     接遇スキルの低さが原因でトラブルになるのは、最低限の接遇ができなかった時です。すると、最優先すべきは全職員が最低限の接遇を身に付けることです。単発的な外部研修への参加では全職員へ徹底できませんから、職場での継続した取組(訓練)が必要になるのです。
    ある接遇研修の講師の元ホテルマンはこう言いました。「研修会でカタチだけの接遇を学んでも意味がありません。接遇は理解するものではなく身に付けるものです。また上手なお辞儀よりも、細やかな気遣いの方が良い接遇なのです」と。元ホテルマンが指摘した具体的問題点は次の3点です。
    1.散発的な研修会ではなく組織的・継続的な接遇改善の取組でなければ身に付かない。
    2.難しい接遇技術の習得よりも最低限の基本動作を全ての職員に徹底すべき。
    3.他の業界の接遇方法を真似るより介護職員に相応しい接遇方法を学ぶべき。
     また彼は最後にこう言いました。「接遇スキルとは、“このお客様は何を望んでいるのか”を感じ取る能力を身に付けることです。ドアボーイはホテルに向かって近づいて来るお客様を観察して、『このお客様は何をして欲しいのか?』を10秒で判断するのです」と。では、具体的にはどのような取組が必要なのでしょうか?

    ■接遇向上の継続的な取組とは
    業界団体などが開催する接遇の研修会に、施設から一部の職員を参加させていますが、これはムダでしょう。なぜなら、一部の職員の接遇の知識が増えても、組織全体のレベルアップはできませんし、研修に参加した職員自身も知識として覚えても、訓練しなければ「できる」ようにはならないからです。
    接遇は研修で勉強するものではなく、施設の全ての職場の活動として定着させなければならないのです。具体的には、1年間職場ごとの小集団活動で取組むのが最も効果的でしょう。たとえば、1カ月に1つの身に付けるべき課題を設定し、ロールプレイングシートを使った接遇訓練をします。これを1年間継続して初めて、全ての職員が最低レベルの接遇の能力を身に付けて、組織全体としての接遇のレベルアップにつながるのです。
     施設には接遇が全くできない(社会人としてのマナーも身に付いていない)職員が必ず数人はいます。大げさに言えばこれらの数人の職員で施設の評価を下げているのですから、経営リスクなのです。これらの経営リスクを取り除くには、最低レベルの接遇しかできない職員をゼロにすることが最優先課題なのです。つまり、80点の職員を100点のレベルに引き上げるよりも、0点の職員を50点にしなくてはならないのです。

  • 12/30
    2024
    2024.12.30
    「職員による虐待がある」というホームページの問い合わせメールによる匿名の告発

    《検討事例》                   ≫[関連資料・動画はこちらから] 
    ある日、ある介護付き有料老人ホーム運営事業者のホームページの「お問い合わせメール」を通じて、匿名のクレームが送られてきました。ある職員を名指しで、利用者に対する5件の暴言が直接話法でリアルにしかもかなりの長文で記述されており、この職員による虐待を改善せよとありました。メールの終わりには「証拠があるので公表する用意がある」と記されていました。発信者は山田花子とありますが、家族に該当者はないので明らかに偽名です。
     本社のスタッフはすぐに担当役員に報告し、対応策を検討することになりました。担当役員は、告発者が誰か調査し名指しされた職員にも事情聴取するよう指示しました。告発者はメールアドレスからは分からず、施設長も心当たりはありませんでした。また、名指しされた職員への聞き取り調査も行われましたが、本人は頑強に否定しました。半月ほど調査しましたが、虐待の事実も特定できないため、「匿名の告発では対応のしようがない」として、そのままになりました。その後市役所に同内容の匿名の虐待通報があり録音データも添付されていました。また、有料老人ホームの紹介サイトにも書き込まれ、会社は致命的な痛手を受けました。

    《事例検討解説》
    ■なぜ会社は対応を間違えて致命的な痛手を受けたのか?
     クレームが発生した場合、どの会社でも次の2つの対応を行います。
    ①クレーム申立者が満足するようできる限り意向に沿う対応に努める。
    ②クレーム発生の原因を調査し落ち度があれば改善する。
    どちらも間違いではありません。しかし、本事例の場合申立者が匿名のクレームであることと、内容が職員の虐待行為に関わることですから、通常のクレームとは対応が異なり少し工夫が必要になります。
     まず、申立者が匿名ですから申立者から詳しい事実確認を行うことはできませんし、たとえクレームの原因が事実で改善が可能でも改善状況を伝える手段がありません。また、本事例のように、匿名であることを理由に「信憑性の無い訴え」「無責任な訴え」であると判断して、対応すべきではない(無視する)という対応方針もあり得ます。実際に、ある自治体では施設とフロアを特定した匿名の虐待告発が複数発生し、悪意の中傷告発である可能性が高いと分かっていても対応に苦慮しています。
     次に、虐待の疑いというクレームではそのほとんどが調査しても本人が告白しない限り、虐待の事実を確定することができません。当然本人を処罰したり、会社が虐待の事実を認めて被害者に謝罪するという対応も困難です。では、本事例の会社の対応は間違っていなかったのでしょうか?職員の事情聴取以外に対応方法は無かったのでしょうか?

    ■ 告発者の特定や本人の調査に意味はない
     本事例では、匿名の告発メールの発信者を調査したり、告発された職員の聞き取り調査などに時間を費やしていますが、この対応に意味はありません。心当たりの家族がいても告発者かどうか確認する訳にはいきませんし、名指しされた職員に告発内容を確認しても、本人が否定すればそれ以上の対応は不可能だからです。問題は、匿名の発信者の職員の暴言に対する改善要求に、どのように対応すれば良いかなのです。対応を誤れば、暴言の録音を公表されるかもしれませんし、老人ホーム紹介会社のサイトに書き込まれれば経営危機となるかもしれません。

    ■告発内容が事実かどうか判断する
     この匿名のクレームへの対応で重要なことは、この告発クレームが事実かどうかを経営者自身が判断することです。事実である可能性が高いと判断すれば、改善の対応をしなくてはなりませんし、事実でないと判断すれば一切の対応は不要で無視すれば良いのです。
     本事例の場合、暴言が直接話法でリアルにしかも長文で書かれていますから、「録音した音声を元に書かれており告発内容は事実である」と判断して良いでしょう。事実と判断すれば告発された本人が否定しても、事実であるという前提で改善の対応をしなければなりません。証拠がありませんから本人を懲戒処分にしたり、虐待通報する訳にはいきません。では、どのように対応したら良いのでしょうか?

    ■具体的な改善の対応
     職員本人には、「“あなたが虐待に該当する暴言を吐いた”という匿名のクレームがあり、会社としては事実であると判断しました。証拠がある訳ではないので一切処分はありません」と話します。次に名指しされた職員に不利益がないように配慮した上で、施設の掲示板に謝罪文を貼り出します。謝罪文は次のような趣旨で作成します。「職員の言動が不適切であるとのご家族からのご指摘をただきましたので、謝罪申し上げます。施設として改善の対応を行いましたので、ここに報告させていただきます」と、できる限り具体的な改善内容を明記します。このような対応で、本事例のような役所への虐待通報が避けられるかどうかわわかりませんが、会社として責任ある対応をしたことにはなるでしょう。

  • 12/30
    2024
    2024.12.30
    通所介護計画書に「歩行は常時見守り必要」と書いたが突然立ち上がったので防げなかった

    《検討事例》                   ≫[関連資料・動画はこちらから] 
    デイサービスの利用者Aさんが送迎直前に椅子から立ち上がり、転倒して骨折しました。Aさんは突然椅子から立ち上がりそのまま前方に転倒し腕を骨折したのです。デイルームには職員が4名居ましたが、誰も転倒場面は見ていませんでした。転倒の後すぐに会社勤めの長女に連絡を入れて、受診に同席していただきました。診察の後に相談員が長女に次のように事故状況を説明しました。「いつも“立ち上がる時には声をかけて下さい”とお願いして、そうしていたのに今日は声をかけずに突然立ち上がり転倒したので対応できなかった」と。すると長女は「通所介護計画では“歩行は常時見守り必要”となっている。見守ってくれなかったから転倒したのでしょう!」と強い不満を述べました。
    翌日所長が長女宅を訪問し、「介護計画書に“常時見守り必要”とあるのは、できる限り見守るということで、今回のように職員を呼んでくれないと防げない場合もある。それに、ヒールのある靴は危険なのでリハビリシューズにしていただきたいと以前申し上げましたが」と理解を求めました。しかし、長女は説明に一切耳を貸さず「私は勤めがあるのだから、通院の付き添いはデイサービスですべきだ」と主張します。通院の介助のみ仕方なく承諾しましたが、数日後に長女は市に苦情申立を行い、「“転倒しないように見守る”と言っていたのに約束が違う。転倒したのを履物のせいにしている。私の休業補償も出すべきだ」と書いてありました。

    《事例検討解説》
    ■過失を明確にせずに理解を求めてはいけない
     多くの施設や介護事業者は事故が起きた時、過失の有無や賠償責任の判断をうやむやにしたまま、事故の説明に臨んでしまいます。「対応が難しい事故であると理解を求めるがなかなかご理解をいただけない」というように、精一杯努力したことをアピールして理解してもらおうとしますが話は前に進みません。介護や福祉関係の方は、相手と対立することを避けようとする傾向があり、相手の意に沿わないことをはっきり言いたがらないのです。しかし、事故で実損害が出ている以上、施設に過失のある事故なのかどうかが、交渉の大前提になりますから、この判断を避けて通ることはできません。
     では、この事故は施設の過失になるのでしょうか?Aさんの転倒事故は施設が安全配慮義務を怠ったために起きた事故なのでしょうか?過失の判断は予見可能性と回避可能性の2つの基準で判断されますから、椅子から立ち上がり転倒することが予見できたのか?予見できたとすれば転倒を回避することが可能であったかという点を判断しなければなりません。Aさんが突然立ち上がり転倒することは予見することも回避することも現実的には不可能であり、この事故は施設の過失とはなりませんから、本来であれば賠償責任は生じません。
     ところが、この事故は施設側に過失がないのに賠償責任は発生するという珍しいケースなのです。事故に関して施設の過失がないのに賠償責任が発生することは通常はあり得ません。では、なぜこの事故は賠償責任が発生するのでしょうか?その理由は、介護計画書に“歩行は常時見守りが必要”と記載してしまったからなのです。

    ■介護計画書に記載してできなかれば契約違反
     「介護計画書は契約書と同等の法的拘束力がある」というのが、法律の専門家の一致した意見です。つまり、「常時見守りを行う」と書いてしまえば、たとえ実行が無理な事でもこれを怠って事故が起きれば債務不履行(契約違反)として賠償責任が生じるのです。ですから、介護計画書には実際にはできないことを気合で書いたり、誤解を招くような曖昧な表現は避けなければなりません。ところが、実際に介護計画書をチェックしてみると「絶えず注意を怠らないようにする」「見守りを欠かさないよう職員間で徹底」など、曖昧な表現や厳密にはできないことがたくさん書いてあります。
     Aさんの長女は「歩行は常時見守り必要」と介護計画書に書いてあったので、絶えず職員が見守ってくれるのだから転倒は防げると受け取ったのです。介護計画書にリスクや事故防止対策を記載することは良いことですが、防げない事故を防げると誤解させるような文章では逆効果です。では、介護計画書に事故のリスクや防止対策について記載する時にはどのように記載したら良いのでしょうか?「リスクを具体的に記載すること」「職員が実際に行う事故防止の取組を具体的に記載すること」の2点がポイントになります。(モデル参照)

    ■通院の介助など“自前補償”は更に大きなトラブルとなる
    次にこの転倒事故では、事故後に長女から「通院の付き添いはそちらでして欲しい」という要求を受け入れてしまいました。通常事故の補償は全て金銭で賠償します。ところが、介護事業者は自らの役務の提供で、事故の補償をしようとするケースが多いので注意が必要です。ショートで事故に遭った人を無料で入所させてお世話をしたり、施設でケガをした人を無償で併設の病院で治療するなど自らの役務の提供で補償するのです。
    このように自らの手で補償することで誠意を見せようとする意図があるようですが、“自前補償”といって様々な弊害が生じています。まず、金銭の補償であれば一定の節度がある要求も、自前補償をすると「あれもこれも」と要求がエスカレートする傾向があります。事業者側の誠意が贖罪の証のように受け取られて、「もう少しやってもらっても当たり前」という気持ちにさせるようです。
    また、施設で起きた事故の補償として入所させて介助していたら、再度足に傷がついてクレームとなり退所を促せなくなり長期間無償で預かった事例もあります。補償の実行については利用者側の自己責任で別の事業者を手配をしてもらい、かかった費用を金銭で支払った後に損害保険金の請求を行うべきなのです。

    ■安全な履物はリハビリシューズではない
    このデイサービスでは「安全なリハビリシューズを替えるようお願いしたのに、ヒールのある靴を履いきたことも事故の原因だから利用者側にも落ち度がある」と言いたいようです。しかし、ヒールのある靴は危険なのでしょうか?リハビリシューズは安全なのでしょうか?ある老健で次のような事故がありました。
    ある利用者がショートステイの入所の時にスリッパを履いてきたのです。老健側です「スリッパなんてそんな危険な履物はダメ!」と決めつけて、リハビリシューズに履き替えさせましたが、その3分後に転倒して骨折してしまいました。怒ったのは家族です。なぜなら、その利用者は居宅で毎日スリッパを履いているのに転ばないのですから。ゴム底の靴は施設のビニル床材と相性が悪く突っかかって転ぶことが多いのです。履きなれない人にとっては歩きにくく大変危険なのです。
    安全な履物は通常「日頃から履き慣れている靴」であり、家族の納得も得やすいのです。ですから、施設側が一方的に決めつけるのではなく、「履き慣れた靴が安全な歩行には欠かせませんので、履き慣れた安全な靴でご来所いただくようご家族の配慮をお願いします」と、家族に依頼してお任せすれば良いのです。

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